So-net無料ブログ作成
検索選択

37 空のたび と 旅行 [あるスチュワーデスの思い出]


久しぶりに 飛行機の話題です。

先日、救命胴衣などの説明が昔はビデオではなくCAの実演でされていた話しを書きましたら、多くの方から今でも実演で行われている旨のコメントをいただきました。
ジャンボやDC10など大きい機材が就航しているであろう長い路線でも、今も実演しているエアラインがあることに驚きました。

こんな風に、今の状況に大変疎い私の昔の話に、もう暫くお付き合いください。

そもそも映画やビデオが空の旅に持ち込まれるようになったのは、1970年前後のボーイング747ジャンボジェットの導入の時です。 

ジャンボジェットの導入は、客室サービスの点でも、大げさに言えば革命的な出来事でした。
それまでは一本の通路の左右に座席があるだけですから、行ったり来たりの前後移動だけ。
そして一番前か一番後ろに立てば、客室がほぼ全域見渡せます。
それに対して、ジャンボで二本の通路が出現したと言うことは、それを横に結ぶ左右の動きと、更には二階席への上下の動きまで加わったわけです。
あちらこちらに死角もでき、その中で動き回っている私たちにとっては、「乗り物」から「建物」に変わった位の大きな変化でした。
お客様の様子を一目で把握する事は、もう出来なくなりました。
乗員同士、誰がどこで何をしているのか分からない様な状態となりました。

             今皆さんが日本からヨーロッパまで大型飛行機でフライトし、あちらで
             小さい飛行機に乗り換えると、とても小さくて古めかしくお感じになるでしょう。
             その逆の状態を想像してください。 

そしてこの新鋭機には、様々な「売り」がありましたが、やはり映画の上映と音楽を聴ける様になった事はとても大きな出来事でしたでしょう。
それまでは飛行中の退屈凌ぎと言ったら、本を読む、窓の外を眺める、そしてCAとおしゃべりする・・・くらいでしたから。

その頃は今と違って、旅行シーズン中以外は空席沢山が当たり前でしたから、食事のサービスが終わるとお客様と良く話し込んだものです。お茶をお持ちしたついでに「座りませんか?」と言われてお隣に座り込んだり、トイレに立っていらした方が、そのまま乗員達がいる調理室にいらしたり・・・ 
必然的に、話題はそのお客様の今回の旅行の事です。
団体の観光客は少なく、多くが個人のお客様でしたので、旅の目的は千差万別です。
お仕事の出張や留学なさるご本人は勿論、先に赴任されたご主人に後から合流なさる、期待と不安がいっぱいの奥様、そこへ短期間遊びにいらっしゃるおじいちゃま、おばあちゃま。
新婚旅行、里帰り出産、中には海外で病気になられたご家族のところへ駆けつける方も。
まさに悲喜こもごもです。
大空に浮かぶ小さな機内に、まるで人生の喜怒哀楽が集約されているようです。
ですから、長時間お隣に座り込んでお話を伺う内、こちらももらい泣きしてしまったことも一再ならずあります。
私自身も泣きながら旅した経験があります。アメリカ人と結婚した友人が病気になり、休暇をとってお見舞いに行った帰りです。夫と空港まで見送りに来てくれた友達との別れは最後の別れと分かっていましたから、乗り継ぎの空港まで、流れる涙をどうすることも出来ずに窓の外を眺めてました。その時アメリカのエアラインのスチュワーデスが、さりげなくとても優しく接してくれたのを憶えています。

話が逸れてしまいましたね。
今の時代、機内ではどなたも耳にはヘッドフォーン、さもなければお疲れで寝ていらっしゃるか… 
CAのほうも忙しくい立ち働いていますから、無駄話の相手はしてもらえそうにありません。
旅行が大ごとではなくなった今、旅、journey, voyage の時代は終わったのでしょうね。


nice!(17)  コメント(33)  トラックバック(0) 

nice! 17

コメント 33

Krause

 1970前後、日本も良い時代でしたが、空の旅も今よりずっと楽しそう!ですね。あの頃に比べると、今はどうもぎずぎずしているように思えます。
 ジェット機に比べ揺れやすく機内騒音も大きいけど、よき時代を思わせるYS-11の大ファンです(もう日本では乗れないのですね)。
by Krause (2008-07-02 07:25) 

みほ

そんな温かい交流があったのですね。。 
小さい、だからこそ出来たこと 
そんな飛行機に乗りたくなりました 
今ではもうないものねだりなのでしょうけれど(^^;
by みほ (2008-07-02 07:39) 

rino

私も一番初めに飛行機に乗ったのは、国内線のYS-11でした。
それ以来、乗ったのは80年代ジャンボの時代ですが、
もとこさんのお話の乗客のように
いろいろな思いで飛行機に乗ったことを覚えています。
まさに、ひとりでベルリンへ旅立つときは、空港まで送りにきた
母が別れ際に泣いたものですから、私は必死にこらえましたが、
その後飛行機に乗ってからひとりで涙が止まらず、
気付かれたら恥ずかしいと思い、2時間ぐらい窓の外を
見たまま動けませんでした・・。
その頃の世の中はもう海外旅行が当たり前の時代には
なっていたのですが、
それでも飛行機で旅立つことじたい、それぞれの人が
特別な情感があったのでしょうね。
海外はそれだけ、今より遠い存在だったのだと思います。

自分が具合が悪くなってしまったこともありましたし、
自分が子供連れになって・・子供が大熱を出してしまい、
飛行機のトイレで解熱剤の座薬を入れたり・・
また、夜のフライトでコックピットを見学させていただいた
外国の飛行機会社もありました。
いろいろなことがあったなーー
忙しく動いているCAさんに余分なことを頼んではいけないと思い、
あまり関わったことはなかったのですね。
でも数年前、LHの日本人の若いCAさんが着陸の少し前に
「お仕事ですか?」と声をかけてくれ、(団体客ばかりの中に一人旅のオバサンなのでそう思われたのでしょう。)しばらくお話ができました。
CAさんになったきっかけなど私もお話うかがって楽しいフライトの
思い出になりました。
こんな風に少しでもお話ができる機会があると、楽しいですね。
団体客の旅行が大部分を占める飛行機ではなかなかそういう
シーンは難しいことだと思いますが・・・。
もとこさんのお話すごく興味深かったです。
1960年代、70年代には、海外旅行は今とはちょっと違う
特別な旅情があったのでしょうね。またお話聞かせてください。
ありがとうございました(^^)
長いコメントになってしまいました(^^;)


by rino (2008-07-02 08:10) 

bonheur

忙しく動かれているCAの方とはほとんどお話したことはありませんが、
プロ意識の強い彼女たちの本音はどうなのか、伺ってみたい時があります。(「足がむくんで大変なんですよ~」とか聞いてみたいです。)
重労働なのに、身だしなみはきちっとしているし、いつも笑顔で接してくれる彼女たちには頭が下がります。


by bonheur (2008-07-02 10:28) 

もとこさん。

Krause様ほどしょっちゅう海外旅行していらっしゃると、飛行機もJRのような感覚でしょうね。ならばこそのYS-11ですね。
by もとこさん。 (2008-07-02 21:52) 

もとこさん。

みほ様、小さいからこそ!鈍行の旅のようにのんびりした楽しさがありましたね。ローカル線のたびは、空の上でも陸の上でも良いですね。
アジアの島と島を結ぶローカル線が楽しいかも…
by もとこさん。 (2008-07-02 21:59) 

もとこさん。

rinoさんは機内での色々な経験がおありなんですね。小さいお子さん連れは大変ですね。でも今ではきっと懐かしい思い出でしょう。昔はコックピットも見学できましたしね…
今度ドイツにいらっしゃるときは、CAにrinoさんのほうから話しかけてみたら?話しかけられて嫌なCAもいないし、嫌なお客様もいないですよね。人間的な接触があればあるほど、旅は楽しくなりますもの。

因みに、アメリカにいた私の友達は癌だったので、私が会いに行ってから1ヶ月後に32歳でなくなったんです。
by もとこさん。 (2008-07-02 22:14) 

もとこさん。

bonhuer様、^-^…そうですか! 単刀直入に聞いてご覧になったら?足がむくみません?て。面白い本音が聞けるかも。
私はむくむどころか、足の指はタコだらけでしたわ!辞めたら取れましたけど。
by もとこさん。 (2008-07-02 22:20) 

もとこさん。

takemovies様、nice!をありがとうございました。
by もとこさん。 (2008-07-02 22:21) 

Krause

追記します。すいません、私の文書に不足がありました。「あのころに比べると日本社会は余裕がなくぎつぎつしてきました。」です。機内では、CAさんは相変わらず多忙そうですが、皆様親切です。
by Krause (2008-07-03 04:23) 

rino

>私も追記です。
もとこさんの文章から、アメリカのお友達のこと、
「命の限りがある方だったんだな・・」と想像しておりましたが、
やはり・・こんなつらい別れはないですね。
今でも・・外国は近くなったとはいえ、こういう時が一番つらいですね。
もとこさんもお仕事柄、外国滞在が長くなると、覚悟の上とはいえ
いろいろなご心配があったのではと思います。
by rino (2008-07-03 10:20) 

Anna Chang

縁あってフィリピンに長く住んでいますが、先に赴任した主人の下へ子供2人と共に言ったときの事を良く覚えています。
若いCAの方がとても優しそうな、きれいなお嬢さんで、当時5歳だった息子が、「あのお姉さん、きれい…」と何度もつぶやくので、「じゃ、お姉さんにそうってごらん?きっと喜ぶよ。」と言ったら、本当にそう告白しました…!
嬉しそうに笑ったお嬢さんの笑顔は、本当に素敵でした。
上の子供が環境の変化で神経質になり、私の心もとげとげしくなっていたその時、たわいもない息子の一言にお付き合いいただいたCAの方の気持ちが嬉しく、もう9年になりますが、今もたびたび思い出します。
旅の想い出のほとんどが、このような小さな心のふれあいです。高級なレストランへ行ったなどということより、よっぽど、心に残っています。

by Anna Chang (2008-07-03 11:21) 

michael

私は操縦席にいる運航の最高責任者、けれども現在はお客様と接することが中々出来ないのです。せめてクルーの人たちがお客様に良いサービスが出来て、そしてお客様の喜んだお顔を想像し頑張っています。乗務終了後良い話を聞けばうれしくなります。
by michael (2008-07-03 22:47) 

noie

こんばんは。
長距離はジャンボの方がラクですが、ヨーロッパ線に乗り換えると
飛行機で飛んでいる実感があり好きです。
9・11のテロの数週間後に乗った時に、CAさんと話をしたことが
ありましたが、「母から、お願いだから仕事止めて欲しいと言われて・・・」
と困惑顔でお話なさっていたのが印象的でした。
SARSの時もそうでしたが、華やかさの裏では命懸け、なかなか大変なお仕事ですね。

by noie (2008-07-04 00:45) 

もとこさん。

Krause様、あわただしい世の中でこそ、プロペラ機や汽車の旅、船の旅が懐かしいですね!

by もとこさん。 (2008-07-04 09:41) 

もとこさん。

rino様、人を愛し、社会を愛し、神を愛して美しく生きて逝ったこの友達の事、私にとってとても幸せな思い出なんです。

★☆★ 追記、追追記、大歓迎!!
by もとこさん。 (2008-07-04 09:51) 

もとこさん。

Cap.michael、機長とはつらい立場ですね。ただただCAを信頼するしかないんですものね!
昔は交代した後、お客様やCAと話しにキャビンに出ていらっしゃるパイロットもいらっしゃりましたけど、今の人員配置では無理でしょうね。
よくsoft landing で拍手なさるPAXがあって、そんな時は後で必ずキャプテンに伝えましたけど、そんな会話を通してでもC/CとCAとの良い連結ができますよね。
by もとこさん。 (2008-07-04 10:00) 

もとこさん。

くらいふ様、nice!ありがとうございました。
by もとこさん。 (2008-07-04 10:01) 

もとこさん。

Anna Chang 様、ほほえましく心に沁みるコメント、ありがとうございました。5歳のお子さんとお母様と綺麗なお姉さんとの光景を思い描きながら何度も読ませていただきました。
息子さんは今14歳でしょうか… 素直に佳きものを感じる青年に育たれたことでしょうね。
旅の想い出も、子供との想い出も、いつまでも残るのは、みんな小さな心の積み重ねですね。
ぜひまた私のブログにいらしてくださいね!
by もとこさん。 (2008-07-04 10:10) 

もとこさん。

noie様、こんにちは。小さい飛行機は、そうそう、飛んでいると言う実感があるんですよね^-^
実際は、おそらく、あらゆる乗り物の中で飛行機が一番安全なのでしょうけど、ひとたび何かあれば大きいですからね…
私の母は、空港までの往復の車の方が心配だなんて言ってましたわ!

by もとこさん。 (2008-07-04 10:16) 

Anna Chang

もとこ様
ご丁寧なお返事ありがとうございます。
申し送れましたが、Anna Chang と申します。
いつも楽しみに拝見させていただいています。
これからも、たびたびお邪魔すると思います。
素敵なブログをありがとうございます!!
by Anna Chang (2008-07-05 12:15) 

もとこさん。

Anna Chang様、(^-^) (^-^) (^-^) !!!
by もとこさん。 (2008-07-05 20:37) 

Mimosa

今は、各席のパーソナルモニターが普通になってしまい、個々に空の旅を楽しむ時代になった反面、昔のようにCAさんと交流もほとんどなくなってしまったことは残念ですね。
CAさんとは、声をかけられたことがきっかけで、2~3度少しお話したことがありますが、旅のいい思い出です!
by Mimosa (2008-07-06 15:07) 

もとこさん。

echo様、いさ様、 yin-yang様、 nice!をありがとうございました。

by もとこさん。 (2008-07-06 22:50) 

もとこさん。

Mimosa様、ほんと、「個々に空の旅を楽しむ」そんな感じですね。
人間関係の希薄な現代の流れの中に、空の旅もあるのですね・・・
by もとこさん。 (2008-07-06 22:53) 

マダム・リー

もとこさん、ご無沙汰しております。
海外旅行があたりまえの時代、飛行機はお客でビッシリ。
いろんなお客がいてCAさんって本当に大変だろうなぁ
と思います。
隣に座ってちょっとおしゃべりなんて、今はとてもかないそうに
ありませんね。
あ、でも前アリタリア航空に乗ったとき、男性のイタリア人CA
は熱心に若い日本人女性に話しかけて連絡先をゲットして
ました。隣にすわっていた一人旅のお客さんが迷惑そうに
しているのもおかまいなし。仕事も同僚まかせで。
イタリア男の真髄を見た気がします(笑)

ブログを解約してゲストになっちゃったせいか、ときどき
うまくコメントがはいりません。
rinoさんとこにはどうしてもコメントを入れられませんでした。
もとこさんとこはどうかしら・・・・


by マダム・リー (2008-07-07 07:06) 

もとこさん。

マダム・リー様、おはようございます。
こちらからリーさんのところに伺えなくなってしまったので、いらして下さって嬉しい!ちゃんと入ってますよ。

イタリアの男の人はね~ 道歩いていても、飛行機の中でもどこでも… 
ほほえましい程度なら良いですがねぇ…
リーさんもイタリア旅行のときは気をつけてね。
by もとこさん。 (2008-07-07 08:24) 

めぎ

うっわーコメントいっぱい!
それもそのはず、いろんなことを考えさせられ、いろんなことを思い出させてくれる、素敵なエピソードですね。
飛行機の旅の別れ・・・私にもいくつかありますが、ヨーロッパ内よりも、日本は海を隔てるからか、涙を誘うことが多いような気がします。島がどんどん見えなくなっていく時に感じる淋しさって、一入です。
by めぎ (2008-07-10 20:23) 

もとこさん。

めぎ様も今まで色々なご心情で飛行機に乗られたでしょうね。
乗り物の中は、本当に様々な事情の方々が隣り合わせですね。

乗員の側にも・・・ え・・ 色々ありまして・・・ 顔には出さねど・・・
失恋した後のフライトは本当にきつかったですが、結婚後、赤ん坊の娘を残して仕事に復帰した時の最初のフライトは、それより辛かったですね。
by もとこさん。 (2008-07-11 01:45) 

もとこさん。

xml_xsl様、こんばんは。nice!をありがとうございます。
by もとこさん。 (2008-07-12 00:23) 

もとこさん。

Nicoli♪様、
ゼイパーズ様、
ご訪問、nice! ありがとうございました。
by もとこさん。 (2008-07-14 01:34) 

mikosuke

遅ればせながら、4男が生まれてから一家の海外旅行が始まりましたが、4ヶ月の赤ん坊にベットを用意してくれたカンタスや、アジアでは子ども達にコックピットを見せてくれたり・・・ずいぶんいろいろな会社にお世話になりましたが、子連れで得した事多かったと思います。その子どもも もう一人で旅に出ています ((o(>▽<)o))
by mikosuke (2008-07-18 22:27) 

もとこさん。

mikosuke様、同感です。私もずいぶん子連れで旅行に行きましたが、独身時代に、仕事であれプライベートであれ、一人で旅していた時より、どこに行ってもずっと心温まる思いをさせていただきました。
お互いに、数々の幸せな想い出でがありますね!
by もとこさん。 (2008-07-18 22:41) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この記事のトラックバックURL:
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。
メッセージを送る