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クラシックジャンボ [あるスチュワーデスの思い出]

 

今日7月31日、クラシックジャンボが日本の航空会社での最後のフライトを終えたというニュースを見ました。

インタビューを受けた方々は、若い乗客もお歳を召した方も、一応に感慨深かったようです。

私も大変感慨深く、このニュースを見ました。

ジャンボの第一機が就航した1970年は、私にとっても、入社後の長い訓練を終えてスチュワーデスとして飛び始めた、忘れられない年だからです。

ジャンボ機は、大きさはもとより、性能や設備も、お客様や乗員の数も、それまでの飛行機とは革命的に違うように見えたものです。
従来の飛行機が乗り物なら、ジャンボは正に建物でした。
なぜなら、客室にいて目に入るのは窓の外の大空ではなく、客室内の壁やドアですから。

何度も保安訓練とサービス手順の訓練を受けて、不安と期待で第一機を迎えたものです。

005.jpg

 

ジャンボが大きいといっても具体的にどんな大きさかと言いますと…

片方の翼の上にテニスコートが一面作れるのです。
また、エンジンを正面から見た時の丸い窪みに、着物を着たスチュワーデスか立って両手を広げている写真が、盛んに宣伝に使われました。

機内サービスでは、従来無かった様々な設備が導入されましたので、随分緊張して準備をしました。
例えば映画とオーディオはジャンボ以来です。
以前は、お飲み物のサービスは、エコノミークラスでもその都度ワゴンを組み立てて白いリネンを敷き、普通の大きさのお酒のビンやジュースを積んでしていました。
お食事のトレイも、すべて手で運んでいたものです。
今のようなミニチュア瓶が開発されたり、カートでお客様の前まで行くようになったのは、やはりジャンボからでした。

そうそう、頭上の棚が戸棚に変わったのもジャンボからです。
それまでは戸や蓋のない棚ですから、コートと帽子しか載せることが出来ませんでした。

通路が一本の従来の飛行での人の動きは、単純に前後に直線移動するだけです。
けれど二本の通路のあるジャンボでは、前後左右の面の動きと、二階席まで含めれば三次元の動きが可能に… と、言うか、 三次元の動きをしなければならなくなった訳です。 
これは食事の時のCAとカートの動きも、良く計算してチームワークをとらなければスムーズに行きません。複雑な動線になれるのにも時間がかかりました。

どれもこれも今から考えれば「ありえない!」事でしょう。
「クラシックジャンボ」なんて言う呼び名すらなく、ただ「ジャンボ」でしたから。

こんなことを考えていたら、私自身がすっかり「クラッシック」になったんだなと思い至りました。

 

      ジャンボ就航を期して制服も一新されました。 

ジャンボ就航までの制服 003.jpg  
着物の打ち合わせを取り入れた襟のデザイン  スカイブルー 

ジャンボ就航と共に新しくなった制服  004.jpg
ミニスカートとローウエストのワンピース


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コメント 10

Krause

まさに大きな世代交代ですね。それにしても最近の飛行機は、エンジン音が静かになりました。乗っていて風を切る音しか聞こえないですね。
by Krause (2009-08-01 07:01) 

めぎ

めぎが初めて飛行機に乗ったのは、70年代後半でした。まだ、飛行機に乗った事のない人がまわりにたくさんいた時代です。でも、既にジャンボはありましたねえ。乗る飛行機がジャンボだと得したような気がしたものです。
制服、ずいぶんミニだったんですね!ヨーロッパでは最近はパンツスタイルが主流ですけど、日本では今もスカートが多いのかしら。制服もずいぶん変わってきましたねえ。
by めぎ (2009-08-01 07:48) 

Bonheur

1970年、私はまだこの世にいませんでしたが、当時のスチュワーデスさんたちはエリートだったのですよね。才色兼備、当時の女性たちの憧れの職業と言うのも頷けます。制服も素敵!(今は、ミニなんてありえなさそうですね)
ジャンボ以前の飛行機って想像つきません。。もっと飛行機の外も良く見えたのでしょうか??
先日、欧州系の飛行機に乗りましたが、やっぱり思うのは、「足が張って大変だろうな・・・狭いところで機敏に動くのはつらいよね・・・」です。
そういえば、元上司の奥様が日系航空会社の元CAさんで、20年以上ぶりにお仕事再開されたと言ってました。大変だけれど、やりがいを感じることも多いのだろうな、と思いました。
by Bonheur (2009-08-01 15:45) 

もとこさん。

皆様、ご訪問、nice!、コメント、有難うございます。
クラッシックジャンボの引退は、一時代を隔する出来事であることを今更ながら感じました。
私が退職した頃(1990年)に辛うじてパイロット二人だけで運行するハイテクジャンボが取りざたされ、「第三の目が無くて大丈夫なの!!」と皆言ったものです。
日本ではCAの制服はスカートにハイヒール、帽子に白手袋が当たり前、着物でのサービスも少し前まで有りました。
今では着物は勿論、帽子や手袋なんて不必要、パンツルックも普通。女性の客室責任者も普通のこと。女性のパイロットさえいる時代は、当時からは夢物語でした。
プロペラ機や小さいジェット機で特別な方々しか乗らない時代から、汽車や長距離バスのように誰もが乗る時代への移行の丁度中間点にあったのがクラシックジャンボなのでしょう。
通路が一本の頃はどの席でも窓のすぐそばですし、映画も音楽も無いですから、長いフライト中は空の色の移り変わりを楽しんだり遥か下の大地に思いを馳せるか、スチュワーデスとおしゃべりするしかありませんでした。
今はお客様は忙しい旅行日程で機内ではお休み、乗員たちも人員削減でゆっくり会話でおもてなしするゆとりも必要もなし…  
あこがれの空の旅、から、合理的な移動手段になりましたね。
それでもCAは保安要員としての役目が有りますので、バスのようにワンマン~操縦士だけ!にはならないのでしょう。
この先は、超デラックスな個室とサロンで執事とメイド付きフライトと、狭くて硬い座席と自動販売機の底値フライトの二極分化かななんて思ってます。
いずれにしても安全・安全・安全のためのエネルギーと費用は割かないで欲しいものですね。
by もとこさん。 (2009-08-03 14:00) 

rino

興味深いお話ありがとうございました。
私の憧れのミニスカート時代の制服!!かわいくて素敵ですねーー♪
改めて考えると、飛行機の中も時代の流れでどんどん変わりつつありますね。飛行機が大衆化されるとともにサービスも少しづつ合理化されてきましたよね。昔のスチュワーデスさんが私の憧れでしたのに・・。

お母様のご看病大変だと思いますが、もとこさんもお体気をつけてくださいね。
by rino (2009-08-04 02:31) 

もとこさん。

rino様、そうですね~ 時代と共に大きく変わりましたね。変わらないのは一万メートル上空の空と雲、お日様とお月様の美しさ!
有難うございます。この不安定でむしむしするお天気だけでも参っちゃいますよね。
by もとこさん。 (2009-08-04 16:31) 

hana

ミニスカートの制服、記憶にあります。
ショルダーバッグとスカーフ。憧れでした~☆
by hana (2009-08-05 16:38) 

もとこさん。

hana様、記憶にありますか?  
赤ちゃん運賃の頃でしょうね^-^
by もとこさん。 (2009-08-05 22:04) 

懐かしオヤジ

当時の濃紺の制服は軽快でとっても素敵ですね。スカートがミニ丈になってカジュアル感が増した分、敷居が高かった海外旅行にも親近感をもった方も多くいたのではないかと思います。まさにジャンボ時代を反映するスタイルなのかも知れませんね。
by 懐かしオヤジ (2011-02-06 10:13) 

もとこさん。

懐かしオヤジ様、コメントありがとうございます。
制服というものは企業、学校どこでも時代を反映しますね。帽子と白手袋がなくなるなんで、私の時代からは考えられませんでしたわ。今はそんな時代ではないのですね。
by もとこさん。 (2011-02-08 01:49) 

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