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40年愛用の料理の本・・・背景には驚きの事実が! [私のお宝シリーズ]

本屋さんの棚には実に様々な料理の本が並んでいますね。
超豪華なもの、細分化され専門的でありながらファッション的で素敵な本、読み物的なもの…
持っているだけですごく料理が上手になったような気がしますし、私も大いに楽しんでいます。
けれど…  最も長く、且つ頻繁にページを開くのがこの本です。

多分1970年代の初頭にサンフランシスコで買ったものだと記憶しています。
cookBook.JPG

私に、欧米の食を取り巻く生活に親しむきっかけを作ってくださったメアリー夫人がいつも見ていらしたので、自分がアメリカに行くようになった最初の頃に買ったものです。(彼女については「あるアメリカ婦人の思い出」でご紹介しています。)

内容は、オードブルからデザートまで、スナックやお菓子、保存食、飲み物を含む、おびただしい数のレスピーとバリエーション=それらは決してアイディア的なものではなく、基本をしっかりと踏まえた料理プラス、ベティークロッカーさんの開発した様々なメニューです。
そして食材の基本的な扱い方、各種肉の部位について、またその焼き方切り方サービスの仕方。計量の仕方、道具の話、料理用語の解説、献立のヒントと、およそ家庭の食生活に必要なすべてが過不足なく盛り込まれています。

パイ工程.JPG
パイ皮を捏ねて、延ばして、中身をめて、ふち飾りをして…  
飾り方のバリエーションも示しています。

表紙裏.JPG

また、究極の使い易く無駄のない編集です。
表紙の内側にはハーブとスパイスのリストがあり、「スープ」、「魚」…などの項目はインデックスつきの硬いページで区切られ、簡単に開くことが出来ます。
また、私が最も評価し、私自身の料理の本の製作にも採用させていただいたのが、巻末の索引です。
扱っている全ての食材を、料理名ではなく食材の名でアルファベット順に並べているのです。
この索引があることによって、例えば、今日は鶏肉がセールだったので多めに買ったけどどうしようか… と思ったとき、「チキン」を引くと、オードブルからスープでもメインディッシュでも、この本に載っている鶏肉を使ったあらゆる料理の名前とページを知ることが出来るのです。
料理の本として当たり前の様に思えますが、日本のものでこのような索引があるものは殆ど見たことありません。

日本の料理の本は殆ど写真で占められていますが、欧米の本はそうではありません。特にこの時代の物は平均的なページがこのようです。
平均ページ.JPG

左右のページで合計七種類のケーキと二種類のソースの作り方が出ています。
これではどんな料理か想像し辛いのは事実ですが、材料や作り方を見れば分かりますし、自分の想像力と創造力を発揮する余地が沢山有るのです。

sukiyaki.JPG

このページが何の料理の作り方か分かりますか?

この本の唯一の日本料理、SUKIYAKIです!

 材料は…
   牛ステーキ肉、マッシュルーム、
   長ねぎ? 玉ねぎ、セロリ、筍、
   ほうれん草、
   牛のだし汁、醤油etc

説明を読むと…  「日本では割りほぐした卵を入れた小鉢が添えられ、熱い肉や野菜を浸して食べる。
もしtofuが手に入ったら、3丁を1インチ角に切って割り下に加える。」

この時代、
日本の外国料理も斯くの如し…
懐かしいです。 

 

私は、この素晴らしいロングセラーをお書きになったベティー・クロッカーさんは、古き良きアメリカを代表する国民的な家庭料理研究家なのだ!! 
と、今の今まで思っていました。

   ところが… 

この記事を書くに当たって、彼女について調べました

Betty Crocker とは…  実在の人物ではないのです!!!

アメリカの大手製粉会社が消費者から寄せられるパンやケーキ作りに関する質問に答えるのに1921年に創造した仮想のキャラクターだったのです。

彼女は製粉会社の女性社員からの募集で決められた字体で消費者への回答にサインし、ある女優が演じてテレビやラジオに登場し、1945年にはフォーチュン誌でアメリカで最も人気のある女性の№2に選ばれました。(ちなみに№1は時のファーストレディー、エレノア・ルーズベルトだったそうです。)

1930に最初のレスピーブックが出されました。

1936年には彼女の「顔」が決められました。
それは実在のモデルに拠るものでは無く、アメリカの、聡明で面倒見の良い主婦の「顔」として合成して造られたものです。ですから時代と共に変化します。
現在の顔は様々な背景と年齢から成る75人の実在の人物の顔の合成なのだそうです。そしてその肖像写真が本の裏表紙に印刷されています。
これを見れば、誰でもこの写真の女性が著者であるベティークロッカーさんだと信じて疑わないでしょう。私も今の今まで何の疑いも持ちませんでした。

でもこれはアメリカ人なら誰でも知っていることなのかしら… ちょうどサンタクロースの事を誰でも知っているように。

Betty Crocker's COOKBOOKとして1950年に第一版が出版され、現在のものは2005年に出された第十版です。そして私のは1969年の第四版です。
ちゃんと1968年に登場したベティーさんの新しい顔写真が載っています。

ベティー.JPG
私のベティーさん

 

 

企業が一つの人格を造り出して消費者と人間関係を結んで行くと言うだけでも、私は面白い発想だな~と思いましたが、それがかなり国民の中に浸透していて、1921年から現在に至るまで健在であるとは! 
あの多種多様な人々から成り、それぞれの州が日本の県などの比ではないほど独立しているアメリカでこのような現象があるとは!!全く驚きでした。

どなたか、アメリカ市民の間でどのくらい知られている本、又は「人」なのかご存知でしたら教えてください。

★★ SUKIYAKIについて追記しました。 28日昼 ★★

 

 


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コメント 22

mei

架空の人物ですか!
驚きですね。
写真が少ない本は記憶に残りにくく、あの料理はどの本だったかな~?なんて探す際いつまで経っても見つけられない。ってことになります(^^;;。

by mei (2009-11-27 16:25) 

きぃ*

なんと!驚きました!
レシピ本、あったかいですね。
レシピ本といえば、娘がアメリカで
あちらの方が使ってらしたレシピ本を
いただいて帰ってきて、本についている
しみなどを見ると「このお料理をよく
作っておられたんだろなぁ」なんて
思いを馳せています。
by きぃ* (2009-11-27 20:38) 

kuni

こういうお宝もありましたか、面白いです。
by kuni (2009-11-27 23:34) 

めぎ

たしかに、うちのドイツ人の古い料理の本にも巻末に同じような索引があって、それをよく利用してます。
めぎは日本の料理の本を一冊も持ってないんですよ・・・こういう索引がないのですね。そうなんだ~
架空の女性のお話、アメリカって想像のつかない面白い国だなあ、と感じました。
by めぎ (2009-11-28 06:51) 

もとこさん。

Krause様、いつも両方にいらして下さって有難うございます!

VINNY7様、ようこそ! はじめまして。

わーこ様、こんにちは^-^♪♪♪

xml_xsl様、いつも有難うございます。

SORI様、こんにちは。nice!有難うございます。
by もとこさん。 (2009-11-28 11:00) 

もとこさん。

mei様、ですよね~ 私もびっくりしました。日本の本は殆ど全てのレスピーに写真がついていて、見ているだけで美味しく出来たみたいな気分になりますね^-^

きぃ*様、そっか~ 確かにあったかいですね!
使っていた人の生活が僅かにも感じられるかも知れませんね。

kuni様、そう、お宝は無限!  
うちはお宝ざくざく…ですわ 
kuniさんもきっとそうね(^-^)

めぎ様、無いんです! だから私はイライラすること多いのです。実際にあるのと無いのを使い比べれば、合理性は一目瞭然です。日本の本はファッション感覚で楽しいですけれども…
アメリカはほんとに面白い国ですね。






by もとこさん。 (2009-11-28 11:16) 

COLE

なんともアメリカらしいお話ですね
すき焼きといえば、坂本九のSUKIYAKI SONG
なんでああなったんでしょうね
by COLE (2009-11-28 22:26) 

もんろー

このお話、すごく面白いです。
でまた、このお顔が、いかにも賢婦人って感じがしてステキ♪
by もんろー (2009-11-29 06:02) 

もとこさん。

Nicoli♪様、アールグレイ様、nice!有難うございます。

COLE様、その歌の当時世界で知られた日本の物は富士山、芸者、すき焼きだけだったからsukiyakiになったなんて聞いたことがありますが、ホントかどうか…

もんろー様、面白いでしょう…?
リンクされた色々な資料を読んで、すごく夜更かししてしまいました。時代と共に顔も変わって、初代はやはり30年代ふう賢婦人ですよ。(「彼女について調べました」をクリックするとご覧になれますよ。)
by もとこさん。 (2009-11-29 17:54) 

プランツマーケット

色々な事を網羅している本なんですね。リングになっているし、きちっとした本であることがうかがえます。
でも、ベティーさん。。。こんな事情があったとは、面白いですね。
by プランツマーケット (2009-11-30 17:42) 

もとこさん。

プランツマーケット様、そうなんです、基礎的なこと、オーソドックスなものをまずきちんと押さえた本なのです。
だから40年経っても使えるんだと思いますわ。
by もとこさん。 (2009-12-01 00:33) 

Mimosa

素晴らしい料理本ですね~☆私も1冊欲しいくらい...(出来れば日本語版で...)!
ベティーさん、実在しなかったとは驚きでした。この話もアメリカらしく面白いですね!
by Mimosa (2009-12-01 01:37) 

yin-yang

この本はすばらしい本ですね。写真入りが少ない外国の料理本。40年前にこんな本が手に入ったのですね。しかも製本がリング!これならページを開いたまま料理ができますね。最近の料理本はきれいだけだけれど、実用的じゃないので、眺めるばかりですが、これなら一生使えそうですね。さすがもとこさん。です。
by yin-yang (2009-12-01 02:29) 

rino

え~、実在の人物ではなかったなんて、面白いお話ですね。それにしてもこの本はメニューにも素材にも随分充実した料理本ですね。日本語だったら読んでみたいです!(^^;)
そうそう、索引と言えば、私が持っている料理本には索引がついているものがひとつありますよ。これは私がイラン駐在に出るときに友人からいただいたものです。
土井勝「日本のおかず」っていう本ですけど、確かに、索引があるのでとても便利だと感じていました(^^)
by rino (2009-12-01 11:20) 

もとこさん。

Mimosa様、アメリカにいらしたら是非入手なさってください。お勧めです。あれだけ海外旅行なさるMimosaさんですから英語no problemでしょう。


yin_yang様、リング綴じはほんとに便利ですね。そのページだけ外して冷蔵庫のドアにマグネットで留めて料理することもできますから。実用書は実用的なのが良いですね。


rino様、実在しない人物が、90年近くもの間、聡明な主婦として歳も取らず「実在」する国ってほんとに面白いですよね。
イラン行きに当たって素晴らしいプレゼントを贈られましたね。土井勝さんは素晴らしいです。
主人なんか会話のなかでも必ず「敬愛する」を土井勝先生の枕詞として呼んでいましたわ!
但し、この索引のついた本がもう一つあります。
はい、私の本です!!!!!
by もとこさん。 (2009-12-01 13:07) 

kazu

 始めまして、Mimozaさんのところからお邪魔しました。
 実在しないということは、壮大な家庭のレシピ集とも言えそうですね。
 写真の少なさは、1920~30年という時代や、スタート時の背景もあるのかもしれません。
 僕も料理はかなりの種類を作りますが、習ったわけではないので、写真か店で食べた味の記憶がないと、かなり難儀しそうですね。
 でも、昔の料理本って、よっぽどの専門誌でなければ、ほとんど写真はなかったような記憶があります・・・

 失礼ですが、もとこさんは日航のスチュワーデスをされていたのですね。
 僕の学校の英語の先生(S48年頃)が、元日航のスチュワーデスで新人の教育も担当されていたそうです。
 その後、どこかの大学の講師になられたそうですが、ボーイッシュな感じの綺麗な方でした。

by kazu (2009-12-02 22:48) 

もとこさん。

kazu様、こんばんは。始めまして。
2・30年前のアメリカの料理の本は、ほんの少ししか、又は全く写真がないのが普通でしたね。最近のは行かないので分かりませんが。
今の日本のは多くが写真集のようですが、母が昭和初期の料理の本を持っていたのですが、僅かの不鮮明な白黒写真に文語体のレスピーでした。
by もとこさん。 (2009-12-03 01:13) 

三田喜良

初めましてm(__)m
先日はコメントをいただきまして、誠にありがとうございました☆
客室乗務員をされていたのですね♪
飛行機に乗ることが大好きな僕にとっては、大変羨ましく思います☆
子供の頃から憧れていた、ジャンボに乗って旅行することが僕の夢です(笑)

by 三田喜良 (2009-12-06 03:52) 

もとこさん。

三田喜良様、お越し下さって有難うございます。
飛行機お好きなんですね。
今ではめったに乗りませんが、でも私も今でも大好きです♪

by もとこさん。 (2009-12-07 14:19) 

もとこさん。

COCO様、沢山のnice!を有難うございます。
少しづつブログに復帰していらっしゃるのですね。良かった。でもご無理なさらないでね。

by もとこさん。 (2009-12-07 14:30) 

nstyle

読み出したら楽しくて、最後までたのしくよくでしまいました。
架空の人物の料理本。面白いです。
by nstyle (2009-12-16 08:08) 

もとこさん。

nstyle様、面白いでしょう?
私40年知っていた名前でしたが、今回初めて知ってびっくりしました。
by もとこさん。 (2009-12-17 23:53) 

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